本棚の持ち主は、韓国ごはん屋さん店主 山口泰子さん



店をオープンするときに本棚を設置することは、山口さんにとっては既定路線でした。「私も飲食店とかの本棚を見るのが好きだから」と話します。
棚のデザインは韓国の民画の作品集を見ながら考えたのだそう。「デザインや民芸が好きで、韓国の民画にも惹かれます。有名なものより、無銘性がおもしろいと思っています」。無名な人がつくるものの集積が歴史であり、文化。そういったことを伝える本が、お店の本棚には多く並びました。

「韓国の食文化の本が増えたのは、日本人の自分が、韓国の料理をつくるためには、きちんと背景を知っておくべきと考えたから」。真摯に韓国料理と向き合っている山口さんの姿勢が伝わる本棚でもあります。
そんな本棚から一冊の本を取り出して、料理を待つ。この本棚は、ひとりだけで切り盛りされる小さなごはん屋さんにとって、大切なサービススタッフでもあるのです。
※サンキュ!2025年7月号の内容に一部加筆しています。インスタグラムのアカウント(39._books)では動画も公開しています
撮影/キムアルム 取材・文/加藤郷子 企画・編集/飯塚真希(サンキュ!編集部)