子どもという軸がなくなり、気がつけば夫と2人きり。これからどう生きていく?と戸惑う方も多いはず。 今回は、料理研究家の上田淳子さんに、夫婦が「相棒」として心地よく暮らすためのヒントを伺いました。
※この記事は雑誌『サンキュ!』2023年8月号の特集「子どもが巣立ったあとの暮らしどう変わる?」の内容を一部抜粋・掲載しています。
まるで新ユニット!? 20年ぶりの夫婦2人暮らしで戸惑ったこと
「サンキュ!」でもおなじみの料理研究家上田淳子さんは双子の男子の母。26歳になった息子君たちが最近、ほぼ同時に巣立ちました。 再びの夫婦2人暮らし。
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寄りかかり過ぎず、でも2人で楽しく生きていきたい。 その理想形は、夫と妻でも、パパとママでもない、「相棒」という新たな関係でした。
目指したのは、お互いの気配を感じつつ「自由で対等な関係」
社会人の息子2人はそれぞれ一人暮らしをスタート。会社員の夫は定年後も働いているものの、以前より在宅時間が増え、夫婦2人の暮らしが20年ぶりに始まりました。
「夫婦2人といっても、結婚直後の夫婦とは明らかに違うでしょ(笑)。当初は戸惑い、この新ユニット?に慣れるのに1年近くかかりました」。
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とはいえ、お互い子育ては卒業。仕事をしつつも好きなことができる貴重な時期です。 「これからはお互いの気配を感じつつも、自由で対等な関係になりたいね・・・・・・となんとなく夫婦で擦り合わせてたどり着いた理想の関係性が『相棒』という形でした」
プロフィール

うえだじゅんこさん
1956年神戸市生まれ。スイスやフランスで修業後、料理研究家に。自宅で料理教室を主宰するほか、雑誌やテレビ、広告などで活躍。近著に『今さら、再びの夫婦二人暮らし』(オレンジページ)。現在は4歳年上の夫と2人暮らし。結婚28年目
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※2023年6月取材時点
食卓は「L字型」。名もなきごはんとたわいもない会話

食卓の会話。「今さら話すことなんかない」と思っていたけれど――。
「取り立てて話すことなんかありませんよ。高尚な議論なんかもしないしね」と笑う上田さん。食卓での話題は、トマトが安かったことや天気のことなど、たわいもない話です。 今さら向かい合うのは気まずいし、かといって横並びは味気ない、とL字型に座るのも今のスタイル。 そして食卓にはメニュー名もない 「名もなきごはん」が
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晩酌を楽しくするコツは、つまみを小さな皿に盛りつけること
以前は「家庭の食卓で豆皿なんて使う?」と思っていた上田さん。でも最近、晩酌シーンで小皿と豆皿が大活躍。「小皿に豆腐を移して搾菜をのっけるとか、豆皿にナッツを入れるだけで居酒屋風になってワクワクする。居酒屋ごっこ、実は夫も結構うれしそう」
あえて見ないし、干渉もしない。それぞれが勝手に過ごす時間をつくる

妻のひとり時間
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夫のひとり時間
ランニング好きの夫に対し、散歩がてら買い物するのが楽しい上田さん。趣味もペースも違うから、一緒の行動は少ないといいます。「出かける夫に、どこに行くのか、誰と一緒かなどは尋ねません。だって私が干渉したら同じように干渉されて窮屈になるでしょ?」
たとえ30年弱連れ添っても、口に出さなきゃ伝わらない

電気消してね
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しみじみ実感するのは、四半世紀以上連れ添っても、「あうんの呼吸」などないという現実(笑)。「察してくれないことにイライラするのはやめました。夫は玄関にゴミがあってもまたいで出かけちゃうような人なので、やってほしいことは具体的に何度でも言います」
歳を重ねた私には、慣れた「この人」がちょうどいい

「歳をとってくると、人の気配を感じる暮らしをありがたく感じます」と上田さん。 別に夫ではなく友人でも姉妹でもいいけれど、家にいる誰かの存在が安心、とも。「老いてきた私には、同じく老いてきた夫との慣れた暮らしが結局一番心地いい、って気づきました」
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「察して」を手放す心地よさ
長年連れ添った夫婦でも「あうんの呼吸」はないと笑う上田さんの言葉にハッとしました。無理に会話を作らず、干渉せず、やってほしい事は言葉にする。
過度な期待を手放し「相棒」としてフラットに向き合うことが、これからの暮らしを穏やかに楽しむ秘訣ですね。
撮影/木村文平 取材・文/宇野津暢子
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